「空母いぶき」を守れ!襲いかかる中国戦闘機・自衛隊偵察機撃墜

空母いぶき

漫画「空母いぶき」は、尖閣諸島の領有権めぐり中国と海上で戦いを繰り広げるという、物語自体は架空ながらも国交問題としては現実に存在しているテーマを扱っている話題作です。

現在、続編の「空母いぶき GREAT GAME」がビッグコミック本誌にて連載中です。

物語の軸には、立場の異なる人間がそれぞれの信条を持って苦悩するヒューマンドラマがありますが、この作品の迫力はやはりリアリティあふれる戦闘シーンなしには語れません。

護衛艦、空母、偵察機、戦闘機、潜水艦、それぞれを操る自衛官たちが異なる性質や考えを持ちながらも、同じ「守る」という目的に向かい、人質を取られた状態で戦うシーンは緊張感が高まります。

そして、敵軍側の思惑も、非常に気になるところです。

今回は物語のクライマックスである、戦闘シーンについて解説していきます。

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空母いぶきの全容を知る!艦載機は何機?主砲などの武器はある?

作品のタイトルになっている「空母いぶき」とは、一体どのような護衛艦なのでしょうか?

正式名称は「いぶき型護衛艦」といい、作中での分類は空母になっています。

「空母いぶき」は架空の護衛艦ですが、モデルとなった護衛艦が海上自衛隊に実在しています。

ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」です。

空母いぶきの艦載機は、F-35JBが15機のみです。

これは『専守防衛』を掲げる日本として、あくまで対潜水艦用の艦載機であると説明するためとされています。

対空兵器は実在する「いずも」と同様、近接防空ミサイルのSeaRAM2基と、多銃身機銃&小型追尾レーダーを組み合わせたシステムであるファランクスCIWSだけです。

対潜ミサイルも魚雷発射管もありません。
すなわち、空母いぶきは戦艦としての役割を持って設計されていないのです。

しかしその機能は多岐にわたり、輸送艦としての役割や、他艦艇への洋上給油を行う補給艦としての役割、さらには医療システムと入院設備を整えた病院船としての機能まで備えています。

敵との戦闘時における防衛については、同行する護衛艦や潜水艦に任されています。

護衛艦は主砲を始め、遠距離着弾ミサイルを搭載していますが、空母いぶきにはそれがなく、あるのは近接防空システムとミサイルのみです。

いぶきはあくまで母艦として、同行する戦艦・戦闘機、そして自衛官たちのサポートのために存在しており、搭載されている兵器はあくまで自衛用のものとなります。

偵察機が撃墜!空母いぶきと護衛隊群、日本を守るため主砲が火を噴く!

南鳥島沖にて演習航海中だった空母いぶきに、中国軍が先島諸島への侵攻を始めたという知らせが入ります。

しかも、陸上自衛隊駐屯地まで占領され、自衛隊初の戦死者が出てしまう事態に発展します。

様々な海上での妨害を受けながら、空母いぶき率いる第5護衛隊群は先島諸島を目指します。

ギリギリまで敵への攻撃を避けたい日本側でしたが、中国軍の戦闘機による攻撃を受け、ついに日本の偵察機が撃墜されてしまいます。

明らかな戦闘目的の攻撃を受け、日本政府は対応に追われます。

戦争をしない、武器を持たない、専守防衛、人命優先──様々な事情が最終判断を迷わせます。

しかし、偵察機の撃墜、島民の命を見過ごすことはできません。

そこでついに政府は自衛隊に、「防衛出動」を発令します。

「防衛出動」とは、外部からの攻撃に対して必要最低限の武力行使を行って良いという指令です。

黙って耐えろとは言われていませんが、あくまで「外部から攻撃された場合」のみ、最低限の武力という制約がかかっています。

それでも「待機命令」よりは動きやすく、それだけ中国軍からの攻撃が非常事態であると判断されたからでしょう。

必要最低限という制約は非常に難しい判断となりますが、空母いぶきの秋津艦長を始めとする指揮官たちは、敵の武力のみを破壊するという作戦に出ることになります。

作中のクライマックスシーンの一つでもある、護衛艦「ちょうかい」主砲による中国駆逐艦への砲撃はまさにその作戦を完璧に遂行したと言えます。

自衛隊VS中国人民解放軍 最新鋭の戦闘機が激突!

空母いぶき自体は戦闘用に設計されていない──。

その代わりに様々な役割を持っていることをお話ししました。

あくまで日本は専守防衛を戦略とする、その宣言を崩すことはありません。

しかし、防衛するための力として護衛艦や潜水艦、そして空からは戦闘機が必要になります。

隠密行動を得意とするのが潜水艦ならば、それを空中から見つけ出し牽制する、あるいは陸上部隊へ物資や戦力を投下させるのが今回の作戦における戦闘機の役割です。

通常の戦闘において、戦闘機ほど効率的に敵軍にダメージを与える武力は無いといっても過言ではありません。

しかし日本には「専守防衛」という固い掟があります。

単純に敵を撃滅することが目的であれば、行動に迷いは生じなかったでしょう。

しかし、尖閣諸島を占拠しようとする中国軍に対して許された行動は「あくまで人命救助」「専守防衛」「敵の武装無力化」でした。

空母いぶきの艦長、秋津竜太は元航空自衛隊の戦闘機パイロットで、アメリカのノーフォーク海軍基地で訓練を積み、海上自衛隊に転属後いぶきの艦長に抜擢されたという経歴を持っています。

緊迫した戦闘シーンの中で、元パイロットの彼ならではの作戦がすさまじい速さで計算されていきます。

中国軍からの、戦闘機による一回目の攻撃は、はイージスミサイル護衛艦「あたご」と「ちょうかい」が対応し、二回目は航空自衛隊の最新鋭戦闘機、「F35」が応戦しました。

そして、大型台風のアクシデントを超え、尖閣諸島を目指す中国の広東艦隊は、再び戦闘機「殲20」で攻撃を仕掛けてきます。

しかも、今度は空母いぶき率いる第5護衛隊群ではなく、陸上にある空港をターゲットにしていたのです。
空港を潰せば、中国軍と海上で対峙している護衛隊群への物資補給を困難に出来ると睨んだからです。

果たして、どう迎え撃つつもりなのでしょうか?
緊張感が高まるシーンです。

迫る艦載機、狙われる空母──「専守防衛」国が繰り出す主砲

「空母いぶき」は実際に起こり得る有事に際し、専守防衛を掲げる日本がどのように立ち回るのかが見どころの一つです。

特に中国との領土問題は今もなお解決しておらず、繰り返される威嚇行為に関するニュースなどを目にした人も多いでしょう。

威嚇行為が一歩進んで、攻撃の意思を持ち始めたらどうなるか?架空の物語でありながらも、限りなく現実の問題に近く、日本人として他人ごとではなく考えさせられる内容です。

恐らく、現実の世界で二国の軍が対峙したとしても、日本から手を出す事は考えにくいでしょう。

これまでの歴史の中で、日本は戦争で多くの命を失い、その尊い犠牲の上ようやくたどり着いた答えが専守防衛でした。

戦って良いと指令が出るのは、自国を守らなければ損害を被ると考えられる時、つまり正当防衛が成り立つと考えられる時のみです

物語の中でも、日本側はギリギリまで相手の出方を待ち、攻撃を回避します。

偵察機が撃墜され、日本政府から防衛出動の命が出された後も、中国軍空母「広東」艦載機が先制攻撃を仕掛けてきました。

給油中で身動きが取れない空母いぶきを守るため、日本のアルバトロス飛行隊がミサイル迎撃のため、大空を飛び回ります。

その際も、相手の戦闘機を撃ち落とすなどの行動は一切行いません。

敵機から発射されたミサイルに追尾され、素晴らしい操縦技術で回避行動をとり続けるのです。

また、海上ではイージスミサイル艦「ちょうかい」が、敵艦の武装のみを破壊するという難しいミッションに挑みます。

最先端のイージス艦であるとはいえ、主砲の射程距離ギリギリの23kmから敵艦の砲台を一発で破壊するという神業は、恐らく現実では不可能でしょう。

波で護衛艦は揺れ、敵艦も予測不能に移動するからです。

しかし、それを命中させるのです。

漫画の世界でこそ見ることが出来る痛快なシーンと言えるでしょう。

全ては島民奪還のため。空母いぶきの指令、戦闘機の覚悟、護衛艦主砲の神業

中国軍は頑なな態度をとり続け日中の交渉は決裂し、武力による先島諸島の奪還作戦「はやぶさ」が閣議決定されます。

作戦成功のために航空優勢の確保が必須となると考えた空母いぶき艦長・秋津は戦闘機を発艦させ、中国軍戦闘機の攻撃をかいくぐり、中国軍の通信管制機を撃墜させます。

多良間島・与那国島に囚われた島民たちを救出するためには敵の武装を破壊する必要があり、次に秋津が指示したのは中国駆逐艦2隻の砲台撃破でした。

ここぞという場面では関西弁がとびだす護衛艦「ちょうかい」艦長・浮船の見事な手腕により、主砲でその難しい任務を達成します。

徹底した人命優先、防衛のための戦闘。

そこには、専守防衛を掲げる国としてのプライドを感じます。

空母いぶき副艦長である新波歳也は、戦いの序盤にこのような発言をしています。

「戦闘はやっても、戦争は回避せねばならんのだ。戦争への口実を与えるような攻撃は、断じてしてはならぬ!!」

これこそが、過去に学び、戦争を放棄し、人命優先・専守防衛に生きることを決めた日本自衛隊の決意と言えるでしょう。

そして秋津が次に狙ったのは、多良間島に配備された中国軍のミサイル設備破壊でした。

敵地上空へ乗り込む大変危険な任務でしたが、多くのパイロットがその任務に志願をします。

そして二機の戦闘機が多良間島上空へ飛び、囚われている島民たちを励ますように低空飛行で自機の存在をアピールします。

その結果、戦闘機のうち一機は撃墜されたものの、島に配備されていたミサイル装備を破壊することに成功します。

その後、大型台風に油断した隙に、中国空母「広東」が戦闘機を日本本土の空港へ向かわせます。

先に述べたように、空母いぶきの艦載機はF-35JBが15機のみでした。

最初から艦載数で中国軍に劣っている中、技術と作戦でここまで切り抜けてきた第5護衛艦隊ですが、戦闘機は既に摩耗しており、後がありません。

日本国土に危機が迫る中、いぶき艦長・秋津は残りの戦闘機をなかなか発艦させません。

中国軍はメインを航空戦に想定しており、対艦武装は薄いはずだと予測したからです。

果たして、秋津の予測は当たっているのでしょうか。

そして、無事日本の空港を守ることができるのでしょうか?

「空母いぶき」は全13巻、コミックス発売中です。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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