ハリウッドのゾンビ映画といえばブラッドピット主演の「ワールドウォーZ」（２０１３）です。
「ワールドウォーZ」はハリウッドスターのブラッドピットを主演に据え
ハリウッドが本気で作ったゾンビ映画として注目を集め、ブラッドピット出演作の中でも
最も興行収入を稼ぎ出しました。
興行的には大成功を収めた「ワールドウォーZ」ですが、例えば「感染源はどこなのか？」
「なぜ世界の命運を背負って命がけて調査しているブラッドピットの家族が突如冷遇されるのか？」などなどストーリー的には疑問が多く、映画の展開的にも首をかしげる点がいくつかあります。
いかにもハリウッド的な「ワールドウォーZ」の疑問をネタバレ解説します。
ブラッドピット ㏌ 「ワールドウォーZ」
ブラッドピットは「ワールドウォーZ」で元国連のスゴ腕調査員ジェリー・レインを演じています。
長く紛争地域などでの調査活動に携わっていましたが、
危険な仕事から退き妻と二人の娘とフィラデルフィアに暮らしています。
ある日妻と二人の娘を学校に送る途中で、突如狂暴化した人が人を襲い始め街はパニックに陥り、
ジェリー一家は命からがら逃亡し、旧知の仲である国連事務次官のティエリーが差し向けたヘリで
ゾンビから間一髪逃れます。
ブラッドピットは感染源を見つける調査へ
ティエリーから感染源を見つけ出すよう依頼されたジェリーは家族の安全と引き換えに、
ウイルス研究の専門家や米軍の特殊部隊と共に最初の感染者が出たとされる
韓国の米軍基地に向かいます。
韓国の米軍基地では感染者が襲ってきて慌てて転んだウイルス研究者が拳銃を暴発させて
いきなり死んでしまいます。（謎の展開① 希望とみせかけておいて速攻死亡）
1分20秒くらいのシーンですが、天才風でいながら小心者であっという間に死んでしまう、
登場に何の意味があったのか全く不明です。
ワールドウォーZはテレビ放映の度に録画して見てしまう。多分5回は見てる。期待されていた若きウイルス学者がゾンビにビビって滑って転んで自分の銃で頭を撃ち抜いて呆気なく死んでしまう下りは衝撃的。大合唱に反応したゾンビの大群がエルサレムの高い壁を乗り越えるシーンも怖ろしい。続編希望。
— すぅぅ☕️💫 (@yasuuu49) February 7, 2023
そこでは米軍の生き残りがいましたが第一の感染者は見つけられず、感染源とみられるのは韓国だけでなくインドだったり、結局は感染源は突き止められませんでした。
（ストーリーの疑問① 結局感染源はわからないのか？）
映画の中で北朝鮮は全国民の歯を抜いて感染を食い止めたとされています。
あり得ないことができる国「北朝鮮」として描かれています
ゾンビは音に敏感だということ、イスラエルは感染爆発が起きる前に国を囲う壁を築いて感染を食い止めたというわずかな情報を掴みジェリーはイスラエルに向かうことにします。
「ワールドウォーZ」ブラッドピットの妻がここ一番でうざい
輸送機に戻る途中、できるだけ音を出さないように自転車で移動するジェリーたち、
なぜかその瞬間にブラッドピットの妻カリンから衛星携帯電話に着信！？
（謎の展開② 恐怖シーン誘因以外に理由はあるのか？）
「ワールドウォーZ」の洋画史上に残る見どころシーンはこれだ！
ワールドウォーZがゾンビ映画としては空前のヒットを生み出したのは圧倒的な映像です。
ジョージAロメロ監督がゾンビ映画を世に生み出してからゾンビはノロノロ歩くものでした。
しかし、「28日後…」や「ドーンオブザデッド」で走るゾンビが生み出されてから、
走って追いかけるゾンビから全速力で逃げるシーンが生み出され、
ゾンビ映画にスピード感が生まれました。
「ワールドウォーZ」では全速で走るゾンビが大群となって押し寄せるシーンが描かれました。
ブラッドピット演じるジェリーは韓国を脱出し
ゾンビの感染爆発が起きる前に国を壁で覆って難を逃れたイスラエルに向かいます。
イスラエルでは、宿敵のアラブ民族も受け入れながら壁の中では平和が保たれているようでしたが、壁の中に入れた安堵感からか、アラブの住民がマイクで歌を歌い始めます。
音に敏感に反応するゾンビが壁に押し寄せ、人の上に人が積み重なっていきます。
1分ごろからのシーンですが、壁を乗り越え、
町をあっという間に制圧するスピード感あふれる大群ゾンビには圧倒されます。
数十メートルの壁をゾンビが折り重なって乗り越え、津波にような大群ゾンビがバスも押し倒す。
ゾンビ映画に新たな歴史を築いたといっても過言ではありません。
「ワールドウォーZ」の最大の謎と展開の違和感
ゾンビに制圧されたイスラエルを逃れたジェリーとイスラエル軍女性兵士のセガン。
離陸直前の旅客機に乗り込んだ二人ですが、
機内にもゾンビが紛れ込んでいて機内は大パニックになります。
あろうことかジェリーは機内で手りゅう弾を爆発させ、
イギリスのウイルス研究所に向かって飛行していた旅客機は墜落します。
最大の謎はここからです。
旅客機が墜落し、一時消息が不明になったジェリーですが、
米軍の軍艦内で保護されていたジェリーの家族が突如軍艦からの退艦を命じられます。
国連の依頼で、しかも家族の安全と引き換えにゾンビの大群に追いかけられながら
調査を進めているジェリーに対し、消息が分からなくなったというだけで
いきなり手のひら返しをするのです。
ジェリーの家族を突然冷遇するストーリー上の必然性もなく、この展開は謎です。
ブラッドピット演じるジェリーとセガンは飛行機墜落を生き延び、
負傷しながらもウイルス研究所に向かいます。
飛行機墜落でほかの乗客は全員が死ぬ中、なぜか二人だけが生き残り、
目的地の徒歩圏に都合よく墜落するのが疑問ですが、最大の違和感はこれからの展開です。
これまでは、ゾンビの大群がスピーディーに押し寄せるスケール感の大きな展開だったのですが、
ここからは狭い研究所の中だけの展開になります。
飛行機墜落の前後ではまったく別のテイストの映画になっているのです。
前半と後半で違和感を感じる理由 ネタバレ解説
実は「ワールドウォーZ」はロシアでゾンビの大群と人類が戦う、
タイトル通りのゾンビとの戦争シーンが撮影されています。
しかし、あまりにの凄惨だということでゾンビ戦争シーンは全編カットされました。
莫大な製作費を費やしていてもう製作費は残されていませんでした。
「ワールドウォーZ」を救ったのはペプシだった
ゾンビ戦争シーンに変わるシーンを撮影するために、新たに製作費を集める必要がありました。
そこで名乗りを上げたのが「ペプシコーラ」でした。
ゾンビは病気をもった人間を襲わないことに気づいたジェリーは自らに病原菌を打ち、
ゾンビの前に身をさらします。
ゾンビはジェリーを目の前にしながらも襲うことはありませんでした。
大仕事を終えたジェリーがペプシを飲むシーンがこれ。
ワールドウォーZとかいうペプシの宣伝に2億ドルかけたゾンビ映画の話する？ pic.twitter.com/Nc54GTw55K
— どみ (@idazu_) June 26, 2015
大仕事を終え飲み物を飲みたい気持ちはわかりますが、あまりにも唐突なシーンです。
ワールドウォーZの続編は再開する？
全世界で5億ドル以上の興行収入を記録した「ワールドウォーZ」ですが、
すでに続編制作が決定していると報じられていました。
しかし2019年には映画を制作したパラマウント映画は
「ワールドウォーZ」続編の制作中止を発表します。
理由は製作費の目途がつかなかったということです。
ブラッドピット出演作では最大のヒットとなった「ワールドウォーZ」ですが
続編再開のニュースはまだ報じられていません。
ワールドウォーZ続編中止は残念だけど、あれはマジで奇跡の一本で、何をどうしてもあの異常な面白さを超えるのは無理だろうから、結果的に良かったのかなと思う。
— 人間食べ食べカエル (@TABECHAUYO) February 6, 2019
ブラピのゾンビ映画「ワールドウォーZ」 まとめ
１ ワールドウォーZはゾンビ映画で最大級のヒット作
２ ストーリーや展開は疑問や謎が多く、結局感染源も不明
３ 続編の制作は中止された
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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