ゴルゴ13は狙撃をしようとしていて記憶を失ったことがあります。
大きなケガを負い、自分が何者で何をする途中だったのかもまったく分からず、
狙撃の情報がもれ、ターゲットの手下は次々とゴルゴに襲い掛かってくる
圧倒的に不利な状況のなか依頼の期日は着々と迫ってきます。
このままではゴルゴは依頼を実行することはできなくなります。
そんな状況をゴルゴはどう切り抜けたのでしょうか、
そしてどのように依頼をやり遂げたのでしょうか。
ゴルゴ13が記憶喪失に「バスク・空白の依頼」
「バスク・空白の依頼」 #ゴルゴ13
スペイン、バスク地方。
バスクの分離独立を主張する過激派テロ組織「ETA」から爆弾テロ攻撃を受け、体に重傷を負ってしまったG。記憶喪失を併発し、ダブルピンチに❗️しかし、約束の狙撃のタイムリミットは近づいていた… pic.twitter.com/Ov8eNn3iAe— スウィートレモン (@bluesbone33) April 7, 2018
「バスク・空白の依頼」(『ゴルゴ13』第105巻第352話)です。
依頼を受け、スペインにやってきたゴルゴは爆弾テロの見舞われます。
依頼の情報がもれターゲットの手下がゴルゴを待ち構えていたのです。
瀕死の重傷を負ったゴルゴを助けたのは通りがかりのショートヘアが似合う美女です。
スカートをはきこなしフェミニンな装いながらも武道の達人です。
しつこく付きまとうナンパ男が意識を失ったゴルゴの財布を抜こうとしてたしなめたところ、
ナイフを抜いてきたナンパ男を上段まわし蹴りで瞬殺します。
ショートヘア美女は「やわな男」と吐きすてます。
(弱い男が嫌いなのでしょう、すでに強いゴルゴに惹かれる伏線がばっちり張られています)
ゴルゴとのロマンスの予感も・・
ゴルゴを警察に連れて行こうとする美女にゴルゴは意識が混濁しながらも、
スペイン語や英語、日本語で警察行きを拒否し、ショートヘア美女は不審に思いながらも
ゴルゴを自宅に連れ帰り手当します。
|
ゴルゴ13は記憶喪失でどう依頼を遂行したのか?
ショートヘア美女の部屋で意識を取り戻したゴルゴですが、記憶が全く失われています。
ゴルゴの背後にまわってしまったショートヘア美女はお約束のゴルゴチョップが見舞われますが、
ショートヘア美女は武道の達人、しっかり受け身で防御します。
ゴルゴの鍛え抜かれ傷だらけの肉体、武道の心得のある身のこなし、
ゴルゴへの興味がふつふつとわいてくるショートヘア美女、
すでにゴルゴとのロマンスフラグが立っています。
記憶を失ったゴルゴですが、わずかな所持品のひとつ、車のキーについていた三角形の印から、
車を調達した「イベリア半島No1といわれる車泥棒のプロ アンドレイ」を思い出します。
ゴルゴはショートヘア美女とアンドレイのもとに向かい、
自分がどこへ行こうとしていたのか情報を集めます。
『ゴルゴ13』の面白い一コマ、『バスク・空白の依頼』より。逃走用車両の置き場所を勘違いしてしまい、車両の手配士から「ゴルゴの勘違いなんてあり得ない!偽物?」と疑われるゴルゴ。実は事故の衝撃で記憶が飛んでいた。 pic.twitter.com/8HiN4160bM
— 破壊屋ギッチョ (@hakaiya) September 30, 2021
ゴルゴの口から「勘違い」と聞き驚くアンドレイ、そうです、
プロ中のプロのゴルゴに「勘違い」なんてありえません。
動くのもままならない重傷ながら
「俺の体が、本能が”時間がない急げ”と告げる・・・どこで、何をやれと・・・?」
大事な仕事があると悟るゴルゴ、
アンドレイから聞いた手掛かりとゴルゴの記憶の断片を拾い集め、
ゴルゴの正体をたどっていく2人ですが、ついに仕事の場所である洞窟にたどり着きます。
洞窟で夜も更けて、予想通りのショートヘア美女がゴルゴに抱かれるロマンスタイムです。
ショートヘア美女はおもむろに過去のレイプ体験をゴルゴに打ち合け、
それ以来強くなろうとして「女」を封印してきたのです。
そして真に強い男「ゴルゴ」に「女にしてほしい」とゴルゴを誘います。
女心の機微が描かれているわ
そしてゴルゴは追手との銃撃戦の中に敢えて身を置き、スナイパーゴルゴの記憶を取り戻します。
記憶を取り戻すために銃撃戦の中に身を置く
さすがゴルゴ・・
ゴルゴの狙撃の瞬間を目撃してしまったショートヘア美女は、
ゴルゴに殺されることを覚悟しますが敵の流れ弾に当たって死亡してしまいます。
ゴルゴはショートヘア美女の亡骸の腕を胸の上に組ませてその場を後に。
自分もために苦労をいとわず、抱かれ、そして死んでいったショートヘア美女への
視線だけで表現されるゴルゴの静かな想い・・ 隠れた傑作といわれるゆえんです。
バスク・空白の依頼 アニメ版は
アニメ版ゴルゴ13でも「バスク・空白の依頼」はあります。
基本的なストーリーは変わりないのですが、ショートヘア美女には「クリスタ」という名前がつけられています。
ゴルゴ13「空白の依頼」 このアニメシリーズ中、一番ゴルゴの台詞が多いエピソード。(記憶喪失になったため) pic.twitter.com/Bd1yw90hIC
— SSSS.真弓ヽ(-3-)ノ (@MayumiPla) November 28, 2018
アニメ版もショートヘア美女です。
ゴルゴとのロマンスタイムもありますが、原作で表現された目線や表情でのゴルゴの感情はアニメでは表現されておらず、クリスタに名前を問われて「クリスタ」と答える原作にはないシーンが追加されていますが、やや物足りない印象があります。
ゴルゴが記憶喪失に… #ゴルゴ13 pic.twitter.com/D7VsTiww0n
— cxx (@cxx) September 25, 2020
アニメ版 記憶喪失に苦しむゴルゴ
単行本には潜水艦のストーリーも収録
「バスク・空白の依頼」が収録されている『ゴルゴ13』第105巻には、
潜水艦を舞台にしたストーリー「北緯90度のハッティ」があります。
インドが原子力潜水艦を手に入れるためロシアから中古の原潜を購入するのですが、
インドに売却される原潜でロシア海軍に恨みを抱くロシア人女性による破壊工作が行われます。
インドから破壊工作の阻止を依頼されたゴルゴが阻止するというストーリーです。
北極海に潜航する原子力潜水艦という密閉された環境で展開する
潜水艦軍事サスペンスになっています。
ゴルゴ13の隠れた名作「バスク・空白の依頼」まとめ
1 記憶喪失になったゴルゴ、記憶を取り戻す方法が強烈
2 ショートヘア美女とゴルゴの切ない心の交流
3 アニメ版「バスク・空白の依頼」はやや物足りない
最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメント