ゴルゴ13には神回としてファンから愛される作品があります。
神回は脚本、カット割り、セリフなどなど、劇画「ゴルゴ13」を構成する要素のすべてが
高いレベルで結実している作品です。
まさにさいとう・たかを先生とさいとうプロが生み出した不朽の名作といっても
過言ではありません。
そんな神回とされるゴルゴ13の名作の数々の中から、独自目線で選んだゴルゴ13
神回ランキングを発表します。
ゴルゴ13の神回ナンバー1「静かなる記念日」ミランが大活躍
「要件を聞こう…」
数ある「ゴルゴ13」エピソードの中私が最も愛したのが、短いながら感動的な作品「静かなる記念日」。
ユーゴ内戦さ中、セルビア軍が何故か全く近づかないクロアチア人の村を訪れた元英国情報部員が知った真実とは…
またリアタイで読み思い出深い作品が名作「サバイバル」でした。 https://t.co/K8TgvQqYAq pic.twitter.com/djw03XZK2O— 阿乱隅氏 (@yoiinago417) September 29, 2021
「静かなる記念日」(『ゴルゴ13』第97巻第329話)です。
あまり有名ではない話なのですが、ストーリーの巧みさ、ゴルゴの「漢」気、戦闘力、
国際政治を舞台にしたゴルゴならではのスケール感があふれた作品です。
MI6(イギリス情報部)を退職した男が興味本位で、
ユーゴスラヴィアの山間部で起きたセルビア人とクロアチア人の虐殺事件で、
ある村だけが被害を受けていない謎を解こうとやってきます。
その村の宿の女将から、村に隠された秘密を知ることになります。
内戦時代にセルビア軍がクロアチア人が住むこの村にやってきて、
略奪や暴行など悪行の限りをつくします。
怒りに耐えかねた村人たちは、なけなしの宝石をかき集め、
ゴルゴにセルビア軍のせん滅を依頼しようとします。
ゴルゴへの依頼に選ばれたのは村の宿の女将の息子で脚に自信のあるミランとほかの3人。
しかし村民の内通者がセルビア軍に、ゴルゴへ依頼したことを密告し
セルビア軍は総力をあげて、ゴルゴへの依頼にむかった村民たちを殺そうとします。
依頼に向かった村民の中で唯一生き残ったミランは、ゴルゴへ会う直前にセルビア軍の攻撃をうけ、重傷を負い、村民から託された宝石を谷に落として紛失してしまいます。
重傷を負ったミランと面会したゴルゴ、ミランから母からもらった古ぼけた指輪ひとつで
依頼を聞き、そして一言「要件を聞こう」。
ゴルゴの靴に両手を添えて感謝するミランをみつめるゴルゴのまなざしに
静かで熱いゴルゴの「漢」気があふれています。
その夜、50人ものセルビア軍がゴルゴ一人にせん滅されます。
セルビア軍のせん滅のあと、ミランは負った傷がもとで死亡してしまいます。
村を救ったミランは女将の自慢の息子で英雄となったのです。
42ページと「ゴルゴ13」のなかでは短編ではありますが、
ゴルゴ13の魅力が凝縮された名作で、神回ナンバー1と言える作品です。
神回ランキング第2位は「G線上の狙撃」
つまり「演奏中にバイオリンやバイオリニストは一切傷付けず、誰にも気付かれないように『弦だけを』狙撃して欲しい」というものだった
しかし当然ゴルゴは難なくやり遂げる
依頼人の望み通り、「G線上のアリア」を演奏中に弦が狙撃によって切られたのだ pic.twitter.com/mVBXqux1Jr— デカいキウイ (@m1928a1c) April 25, 2021
「G線上の狙撃」(『ゴルゴ13』第75巻増刊第13話)です。
バイオリンの演奏中に弦だけを狙撃するという難易度の高い依頼です。
神回第2位に選ばれた理由は狙撃の難易度とメッセージ性です。
ゴルゴに狙撃を依頼した名バイオリニストは、
演奏中に弦が切れてから人前で演奏できなくなっています。
演奏できない自分にかわって、舞台に立とうとしているバイオリニストにも同じように
演奏中に弦が切れるハプニングに見舞わせ、自分と同じように醜態をさらさせようとしています。
ゴルゴは依頼を受け、ターゲットのバイオリニストが演奏する動画を繰り返し見続けます。
また一度しかない狙撃チャンスを万全のものとするため、信頼を置いているガンスミスのデイブに銃の改造を依頼します。
デイブにすると簡単な仕事で拍子抜けしていますが、
決して失敗しないためにできることは全力をつくします。
この作品からはゴルゴのプロフェッショナルな姿勢と、相手を貶めようとするバイオリニストの姿が対比して描かれ、仕事とは何かというメッセージが問いかけられています。
狙撃を受けたバイオリニストは、弦が切れても冷静にほかの弦を調整し
何もなかったかのように演奏を続けるところに、
プロのバイオリニストとしての器の違いが鮮明になります。
ゴルゴ13の神回、初心者向けは「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」
これ。「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」で、1つのポイントを打てばダイヤが砕けるってのがある。 https://t.co/3HBITO9XAy pic.twitter.com/OkIFlxVgQv
— 杉山真大@震災被災者 (@mtcedar1972) June 27, 2019
「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」(『ゴルゴ13』第61巻第199話))
ゴルゴ13の傑作として有名な作品です。
世界最大の1050カラットのダイヤモンドを狙撃で粉砕してほしい、という依頼にたいして、
ゴルゴはダイヤを粉砕する瞬間を見せてほしいと自ら70カラットのダイヤを購入し、
老ダイヤモンド職人のワイズコフに依頼します。
ゴルゴの依頼を気に入ったワイズコフは、ノミの一撃でダイヤを粉々に粉砕します。
ゴルゴはワイズコフから学んだダイヤの粉砕方法で、
狙撃によって1050カラットのダイヤを打ち砕きます。
ダイヤが狙撃で砕ける瞬間を1ページまるまる使って描かれています。
絵の美しさ、カット割りの秀逸さ、
そして脇役でありながらファンに愛されるワイズコフの存在感など、
ゴルゴ13を楽しむ要素が満載の作品です。
ゴルゴ13の神回 笑えるシーンは
『ゴルゴ13』の面白い一コマ。依頼人に会うために遊園地に行ったら、ぬいぐるみと花束が当選しちゃうゴルゴ(143巻)。 pic.twitter.com/JuI3ulsifI
— 破壊屋ギッチョ (@hakaiya) January 3, 2017
シュールすぎます。
ゴルゴ13の神回 まとめ
1 1位は静かなる記念日
2 2位はG線上の狙撃
3 笑えるシーンはゴルゴとぬいぐるみ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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